2009/08/28

日本の農作物は世界一美しい姿をしている

トウモロコシが持て余す程の豊作なので、出荷することにした。夜明けと共に収穫を始め、切り揃え、選り分け、箱詰め、倉庫入れまでを午前中に終わらせる。今年は大量生産地北海道が不作なそうで、なかなか良い値で引き取ってもらえた。ラッキー!
農作物の輸入自由化がようやく実現の見込みが出てきた。個人商店や中小工場が苦しんでいるこのご時世に、農家だけは輸入障壁によって保護さられていることがそもそもおかしい。農協が握っている票が大きいということだろう。

自由貿易、自由競争、の実現を望みたい。海外の農家が作った作物にだけ過大な税金をかけるのは不平等ではないか?海外の農家には、日本の農家よりもはるかに貧しい人々がいるのに。
人間が生きるために必要な食物が安くなることはいいことだ。 貧しい人々の食物に税金(消費税さえ)をかける必要は無い。その分、タバコや酒等の嗜好品の税率をもっと上げればいい。 僕は地産地消という思想には賛成だ。さらには自給自足を推奨したい。しかしながら、大前提として、世界的な視野で人々が公平であってほしい。日本に限らず世界規模で貿易の自由化が実現されることを望む。

2009/08/27

世襲制は質の向上を妨げる

久々に歌舞伎座へ出かけた。昼食前にサクッと一幕観賞。
世襲制の値強い歌舞伎界の自己批判ともとれる「天保遊侠録」という演目だ。「なりこまや!」。
財産・階級の相続から生まれる不平等。現代資本主義社会が未だ抱える大いなる問題。資産相続の禁止と平等なる分配、こんな簡単なことが何故実現出来ないのか?何
故、皆黙っているのか?皆が同条件で同じスタート地点から人生を始められなくば、公平な競争社会が成り立たないことは明らかなのに。
残念ながら、この不平等社会で利を得ている権力者・資産家が、自主的にこの利権を放棄することは望めない。声をあげろ!
来年、歌舞伎座が高層ビルへと改築されるそうだ。風情が失われる前に、気になる演目へは積極的に足を運ぼうと思う。

2009/08/23

幼い演奏家

GOLDMUNDのライブへ出かけた。会場は池袋の自由学園明日館講堂。フランクロイドライトとその弟子遠藤新による建築物だそうだ。風情良し、空調バッチリ(屋外トイレまでエアコン完備)、音響悪し。
かなり緊張した面持ちでGOLDMUNDことKEITH KENIFF登場。MCは全く無く、まるで発表会で演奏する少年のように朴訥と鍵盤を叩いてゆく。パソコンのキーボードを叩いているかのように無感情な演奏が淡々と進む。1-3分の短かな曲が終わる度に、引き攣った笑顔で会釈。会場の音響設備・遮音性が悪い為、ピアノ演奏の背景には、蝉やコオロギの鳴き声、バイク滑走音、若者が立ち話する声、が広がる。音数の少ない楽曲だけに、その行間を雑音で埋められては台無しだ。
想像するに、演奏力もスター性も無い少年が、成り行きで無理矢理ステージに引っ張り出されてしまったのだろう。ひいき目に見れば微笑ましいのだが、平に見ると入場料を取るには未熟すぎる。CDには十分にその価値はあるだけに、残念。

2009/08/11

黒い肌には金が良く似合う

ジェニファー(写真)というドイツ人が尋ねてきた。彼女は、来日するたびに必ずトリコへ顔を出してくれる旧友だ。ピンボケ写真では分からないだろうが、前歯に入った金歯がチャーミング。
ジェニファーは、ブリックファングというデザインイベントのチーフプロデューサー。今回の来日は、この秋のブリックファング東京の打ち合わせを口実に、どうやら婚約者との東京見物を楽しんでいるようだ。この不景気で、今年の東京開催は危ういものと予想していたが、規模を大幅に縮小しながらも、何かを行いたい意向とのこと。去年に引き続きトリコデザアイン研究所が会場デザインを担当することになる。さあ、限られた条件の中でどんなスペースにするか、9月頃からバタバタと考えましょう。

ブリックファングという デザインイベントは、ドイツ・スイス・オーストリアで行われている。「デザイン」を売りにしたお高い(お堅い)デザインイベントではなく、庶民を巻き込んだお祭り状態。現地では、土曜のポートベローや年末のアメ横、のように活気に溢れたイベントだ。

2009/08/09

分解してその本質を知る

昨夜のここ湾岸エリアは花火大会で大騒ぎでしたが、そんなこと興味ないので喧騒をよそに大好きなプロダクトを分解。手前の明るい色が普通の木製洗濯バサミ を分解したコイルバネ、中央の暗い色が「ハンガーペグ」というプロダクトを分解したコイルバネ。奥に見えるのが木部です(木部は二者とも全く同じ)。
二者の違い:①ご覧の通り、奥のコイルバネはバネがそのまま延長されてフック状になっているのです。②手前はアルミ製、奥はより硬い鉄素材を塗装。③手前に比して奥のバネは太い。
この違いによってどうなったのか:①物を挟んでそのまま吊るせるようになった。②バネの強度が増し、より強くしっかりと物を掴む事ができるようになった。
小さなプラスワンアイデアで、画期的に用途が広がっているのです。これぞ美しきデザイン。木製洗濯バサミ自体の完成された機能美を損ねることなく、さらにその美しさを発展させているのです。デザインしたのは素朴なドイツ人、ウォルフガン・シャップというデザイナー。10年程前に一度話す機会があったが、素朴で堅実な好人物でした。正にこのプロダクトと一致する印象を持ったことを覚えている。
メーカー閉鎖により生産中止となっていたが、この度トリコによる復刻が実現した。プロダクトは日常使いしてこそ価値がある。300円という安価で再発売できることがとても嬉しい。分解して、組み立てて、ひっくり返して、立てて、叩いて、引っぱって、挟んで、吊り下げて、「うーん」なんて頷いたり。

2009/08/06

味良し、話良し

昨日は通りがかりに銀座の三亀という和食屋で昼食をとった。がらんとした店のカウンターには店主と常連らしき老婆。どうやらこの老婆は女医らしく、興味深い治療エピソードを次から次へと大声で話したてる。「落とした指を繋ぎに来たやくざ」「病室の棚をレミーマルタンでぎっしり詰めた親分」「新型インフル集団感染が発生しながら未公開の近隣中学校」 「急性アルコール中毒の即効治療法」「担ぎ込まれる麻薬中毒者達」「河豚の毒抽出法」、、、。
石川では危険な河豚の卵巣を糠漬けにして食べるが、なぜ毒が抜けるか?老婆曰く高塩分の糠に数年漬け込むと、毒が水分と共に抜け出すとのこと。河豚免許を持つ店主も、河豚の毒は水溶性であり、水に容易に溶けると同意。すると魚を焼いていた老職人がポツリ、「いや、あれは蔵に住む特殊な菌が毒を中和するんですよ。しかもその菌の住む蔵は日本に一つしかないんです。」。この言葉は、僕の耳にしか入らなかったようで、2人の会話は毒の採取法へとエスカレートしていった。
カマス焼き、カレイの刺身、ナスの炊き上げ、老婆の武勇伝。質のいい定食でした。
写真は食後に近くの陶器屋で購入した箸置き。青虫でも、枝豆でもありません。松です。

2009/08/04

違いの分からない大人たち(実体験と擬似体験/本物と偽物)

拓いた土地にテントを張って泊まってみた。まず、新調したテントの構造美に感心。取説不要、ほぼ自動的(+少しの感覚的な作業)に組みあがってしまう簡易構造物。代々木体育館と同様の吊構造のテント。このモンベルのムーンライト、惚れ惚れするプロダクトだ。
テントを張ったら、トイレを堀り、水源から水を調達、野草を採取。獣避け&調理の為に火を起こし、米を炊き、ディナー。一杯引っかけているうちに日が暮れてきたので就寝。
キャンプ場という人工的な環境(自然を破壊して整備管理された施設)で、自然を満喫しているという大人がいる。ディズニーランドでおとぎの世界に浸る純粋無垢な子供達のように。
*自然の中で無許可でのキャンプは禁じられています。まず自然環境を良く知り、地元の人を知り、許可をもらい、環境への配慮を十分に払いながらキャンプをしましょう。

2009/08/02

大地を拓く

本日はミニユンボを駆り出して、地中に張り巡ったクズやカヤの根を根こそぎ排除です。このクズの根は、葛切りや葛餅の原料となるのだが、他の植物にとってはだだの雑草。地中に張り巡った根をユンボで断ち切り、掘り起こします。一日かけて掘り出した根は、高さ2メートル以上の小山の量に達した。少し持ち帰って葛餅にでもして食べてしまおう。残りは地元の猪にプレゼント。