2009/09/03

庭園美術館の椅子も実に頭が低い

カンテサンスという現代フレンチレストランで食事をしたら、先日我が家で収穫したトウモロコシと同じ「恵味」という品種を使った料理が一品目に季節の前菜として供された。甘くて濃厚な冷スープと皮に包んで焼いたトウモロコシ小ちまき。旨いは旨いのだが、やはり採りたて生かじりには到底敵わない。前皿3品+主皿2品+後皿2品、どれも普通でなく実験的な料理であった。様々な工夫は見てとれるものの、完成の域には達していないものも多かった。
しかし、食事は味だけで完成するものではない。内装・家具・食器・空調・音・周囲の客・従業員のサービスや会話、そのすべてが食事を左右する。この店のスタッフは皆若く気どりも無く、好感度が高い。白紙のメニューから始まり、水、ワイン、調味料、食材、調理法に至るまで、実に丁寧に(やや長いものもあり)楽しく説明をしてくれる。内装や家具の気取り具合も嫌味でない程度に抑えてありOK。最後には三つ星シェフがご丁寧に出口まで見送るという徹底した姿勢には関心だ。味に対する不満なんて大したことではない、実に楽しく心地よい時間を満喫させてもらった。
帰りには庭園美術館を腹ごなしに散歩。ここの椅子達もまた実に頭が低く、皆両手をついて迎えてくれた。

0 件のコメント:

コメントを投稿