2010/03/06

刹那き自然の摂理

コツコツと手を入れて拓いている山中の庭の雪解け具合を見に行くと、獣の気配。気づくとすぐそこに何かがいるのである。驚いて息をころしていると、相手も動かない。剥製のように動かない。
あの逞しい脚、毛深さ、もののけ姫チックな風貌、天然記念物に指定されている日本カモシカである。どうやら、脚に怪我をしていて動けないらしい。
さて困ったのである。天然記念物には下手に触れることは出来ない。捕まえて手当てを施すことさえ、罪に問われかねないのである。
役所に連絡を入れると、なんと、忙しくて保護に来ることが出来ないという。こうなってはもう成す術が無いのである。あとは、自然の摂理に任せるしかない。安らかなる死を迎え野生動物の食糧となって果てることを祈るだけである。

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