2009/07/31

人工物は朽ちて自然に馴染む

川俣正の「松之山プロジェクト東屋」という作品を観た。この作品は「キョロロ」という名の子供向け科学館の裏山に点在する。2003年につくられたというこの東屋達に、有難い芸術作品の面影は無い。波板は割れ、木材は腐り、木道は朽ち、すっかり森の風景に馴染んでいる。まるで、代々木公園内に乱立するホームレス住宅のような様相だ。
感心した事にこの東屋、今では科学館の物置やゴミ置き場という実用品として新たな役割を獲得しているのだ。

投資対象として過剰に持て囃される芸術作品が多い中、とても清々しい気持ちにさせられる風景である。

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