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大工作業用に足袋を新調したのです。甲の辺りまでラバーコーティングが施されており指先が補強されている、多少の防水性があり丈夫そうな足袋を選んだのです。黒と紺のコンビネーションも気に入ったのです。
ところが、棟梁曰く、これはどうやら土の上を歩く農家用の足袋だそうです。確かに、棟梁は白い清潔な足袋を履いているのだが、自慢げな話を聞くと、その足袋はソールにエアーが入っていて、アスファルトを歩いても疲れない、本来は祭り用の足袋だという?
足袋は、コハゼという爪型の金物で止める。これが慣れないと結構、面倒なのです。なんで、今時こんな面倒な仕様のままなのかと棟梁に問うと、今度は納得の回答。コハゼには、爪を差し込むスリットが3列並んでいて、この列を変えることによって締め付け具合を調整出来るのです。紐よりも容易で、ジッパーにはない調節機能を持ち、ベルクロより古くから愛用されている、優れたローテク留め具であったのです。
残雪の間から、ザゼンソウがちらほらと顔を出し始めたのである。祠の中で、僧侶が座禅を組んでいるように見えることから命名されたこの座禅草、妖艶な水芭蕉のようでなかなか美しい。その美しさに加えて、この花は興味深い生態をもっているのである。早春の開花時に強い熱と臭いを発するのである。熱で雪を溶かして顔を出す。同時に強い臭いを放って虫をおびき寄せ、まだ虫の少ない雪解け時期の受粉を促進するのである。虫は雪間に顔を出した暖かな祠のなかで一休み。
自然とは、なんと理に適っている(機能的にデザインされている)のだろう。
しかしながらこのザゼンソウ、英語名では SKUNK CABBAGE と呼ばれるそうである。強い臭いがその名前の由来らしいが、幸いなことに我が家のザゼンソウ達は嫌な臭いはしない。清い水、清い土、で育つと臭いも清くなるのか?ザゼンソウとスカンクキャベツとでは、似て異なる品種なのか?日本人と欧米人との嗅覚の違いか?