古い廃校、それだけで十分な雰囲気と歴史を持つ実在空間。この中に構築されたボルタンスキーの今作品には、演出の安易さ(田舎の老人子供に対する過剰サービス?)が否めず、安っぽさが浮き立っていた。心拍音やプロジェクション映像等といた使い古された手法は用いずに、もっとずっしりと重いものを持ち込むことが出来たのではないだろうか。空間に負けない重みを。
まるで、大好きなロックミュージシャンが来日公演で手を抜いた演奏をするのを目の当たりにしたような気持ちです。残念。
*ボルタンスキーは、セバスチャンの敬愛する現代芸術家の一人です。